リトアニアで命のビザを出した男「杉原千畝」映画ネタバレあらすじ

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12月5日に公開された『杉原千畝 スギハラチウネ』
日本のシンドラーと呼ばれた男、「センポ」の愛称で知られるリトアニアの日本大使館領事スギハラチウネという一人の日本人が、6千人のユダヤ人に自らの命を賭けてまで【命のビザ】を発給したという史実。
 
私の夫はポーランド人なので、この映画は観たい!という気持ちよりも、観なくては!という気持ちから公開直後に観に行きました。
私の夫も「センポ」さんが救ってくれたユダヤ系ポーランド人の子孫かもしれないです。。。
 

 

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この作品は、狙ってか偶然か「海難1890」と同日公開せれてますが、私は日本人の方達には両方ぜひ観てほしいと思っています。
 
どちらの作品も表には出てこなかった歴史について描いた作品ですが、個人的には「杉原千畝」の方が強烈な印象が残りました。
 
夫がポーランド人というのも大きかったのでしょうけど、やはり私自身が今の日本の政治や外交をみてもため息しか出ないからでしょう。
 
 
杉原千畝の千畝という漢字は毎回「センポ」と読み間違えられ、外国人が発音しやすい事からも、千畝自身、出会った外国人達に「センポと呼んでくれ」といいます。
 
今作では、センポが命のビザを発給したことだけでなく、いち日本人としての「もっと日本をいい国にしたいんだ」という彼の熱い想いも描かれています。
 
今の日本の政治界に1%でもセンポのような想いを心から思っている政治家が1人でもいたら、日本はもっと国民の暮らしの面でも、世界的な外交の面でも、今とは違った国になれたんでしょうね。
 
 
※以下、あらすじはネタバレを含みます。
 

「杉原千畝 スギハラチウネ」ネタバレあらすじ

 
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出典:「www.cinemacafe.net」
 
1934年。
英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語を操る杉原千畝(唐沢寿明)は、満州で諜報外国官として働き、ソ連との間で北満鉄道の経営権の買い取りについて交渉していた。
 
千畝の収集した情報によって、ソ連との北満鉄道交渉は、ソ連の要求額を引き下げることに成功。
だが関東軍の裏切りにより、千畝は諜報活動をともに行っていた仲間達を失う。
 
共に諜報活動をしていたロシア人のイリーナから「人殺し」という言葉を突き付けられ、失意のまま千畝は日本に帰国する。
 
 
満州から帰国後、外務省で働く千畝は友人の妹、幸子(小雪)と出会う。
幸子は千畝の名刺を見て、「スギハラチウネさん」と彼の名を呼ぶ。
 
今まで一度も名前をきちんと読んでもらえたことのなかった千畝(毎回「センポ」と読まれる)は驚きながらも感激する。
2人は交際を経て結婚し、千畝の念願の在モスクワ日本大使館への赴任を心待ちにしていた。
 
ところが、ソ連は千畝を【ペルソナ・ノン・グラータ(歓迎されざる人物)】に指定。
北満鉄道交渉時に、千畝の能力の高さを恐れたソ連は彼を警戒し、千畝の入国を拒否したのだ。
 
 
時は1939年。
ヨーロッパ情勢は混乱の真っ只中にいた。
 
外務省はヨーロッパ情勢を知る上でリトアニアが最適と考え、千畝はリトアニア領事官の責任者となる。
千畝は新たな仲間、ドイツ系リトアニア人のグッジェ、家族をドイツ軍に殺されたポーランド政府のスパイ・ペシュらと共に、諜報網を構築し、日本に発信し続けた。
 
 
やがてドイツ軍がポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発。
ナチス迫害により国を追われたユダヤ難民が、千畝の日本領事館へ日本通過ビザ発給を求めてやってきた。
 
日に日にビザを求めて領事館の前に集まる難民は増え続け、ついに千畝は日本政府からの了承がとれないまま、自らの危険を顧みず独断でビザ発給を決意する。
 
 
千畝の発給した「命のビザ」により国を脱出した難民達。
リトアニアもソ連侵略の手に落ち、千畝たちはリトアニア領事官を去り、ベルリンのドイツ大使館に赴任する。
 
だがユダヤ難民にビザを発給した千畝をドイツ軍はよく思っておらず、千畝は街中で命を狙われることも多々あった。
 
一方、日本政府は当時のヒトラー政権のドイツと協定を結んでいれば安泰と考え、日本のアジア圏進出だけに捉われていた。
だが千畝は常に危機感を抱いており、上司にも何度も直談判をする。
 
「ドイツとソ連が戦争を始めたら、日本もアメリカと戦う事になる。」
千畝は上司を通じて日本政府にもこの事を訴えるが、日本政府は一切聞き入れなかった。
 
 
ついにドイツとソ連が開戦。日本とアメリカも戦争を始めた。
日本から遠く離れた異国の地で、日本の敗戦を知り涙を流した千畝は、ついに家族とともに日本に帰国。
 
1968年、28年前にかつて千畝に「命のビザ」を発給されたニシュリは千畝とイスラエルの大使館で再会。
 
イスラエル参事官となっていたニシュリは、「あなたをずっと探していたんだ!」と再会を喜んだ。
 
 
千畝の発給したビザにより救われた難民は6千人に及ぶといわれ、命のビザのおかげで彼らは世界散りぢりになりながら命を失わずに済んだ。
 
そして今、千畝の発給したビザがきっかけで生きている人達の人数は、子孫を含めると4万人に達すると言われる。
 
 
1986年86歳の時、杉原千畝永眠。
 
 

映画に描かれなかったその後

 
映画のラストで、すっかり年を取った千畝の元に、かつて千畝の命のビザによって命を救われたイスラエルの参事官ニシェリが声をかけるシーンがあります。
 
実はニシェリはずっと千畝の事を探していたのですが、千畝は難民たちに外国人が発音しやすい「センポ・スギハラ」の名を教えていた為、その名前を外務省に照会しても該当者が出ませんでした。
 
難民たちの消息を気にかけていた千畝が、イスラエル大使館に自分の住所を教えていた為、ニシュリは千畝を探し出せたというわけです。
 
 
また、1969年に29年ぶりに千畝と再会したイスラエルの政治家ゾラフは、当時千畝が失職覚悟で独断でビザ発給を決断した事を、この時はじめて知り驚愕します。
 
 
1975年に日本に帰国後、旧外務省関係者の千畝に対する扱いは酷いモノでした。
「ユダヤ人に沢山金をもらったんだろうから、金を沢山もってるんだろ」という中傷もされ、ニシュリが千畝の名前照合の際の対応も酷かったそうです。
 
こうした外務省の姿勢に対抗したのが、ドイツ人ジャーナリストはじめ、日本人以外の人々であり、ようやく晩年になって杉原千畝という人間の名誉が回復されます。
 
 


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「杉原千畝」感想

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出典:「mantan-web.jp」
 
まず、私はこの映画を観て、杉原千畝という人間にも心動かされましたが、奥さんの幸子も本当に凄い人だと思いました。
女性版・杉原千畝というべきか、彼女が妻だったからこそ、杉原千畝はここまでの事を成し得ることが出来たワケです。
 
私がこの映画で最も涙したシーンは、千畝がビザ発給を決意する前、リトアニアの領事館に毎日寝ず食わずで押し寄せるユダヤ難民たちを複雑な想いで見ていた千畝に妻の幸子が話したこと。
 
ユダヤ難民の中にいる見るからに極貧そうな女性と、彼女の幼い娘と息子。
この女性を見て妻は千畝に話します。
 
「あの奥さんは、きっと夫が亡くなった日の朝、
 いつも通りに夫を送りだしたんだと思う。
 でも夫が今日は帰ってこなかった。
  
 それでも彼女は何日も夫の帰りを待ち続けた。
 夫は生きて居ると信じ続けた。
 
 でもある日、夫はもう帰ってこないのだと受け入れ、
 張り裂けそうな想いで子ども達を連れて家を出た。
 
 すべての思い出が詰まった家を捨てて、
 ここへ来るのはどんな想いだったのでしょうね。」
 
「肌の色も髪の色も目の色も違う私達だけど、
 大切な人を守りたいのは同じ。
 私達は同じ人間なのよね。」
 
 
この言葉を聞いた千畝は妻にたずねます。
 
「例えどんな状況になろうと、ついてきてくれるかい?」
 
妻は笑顔でうなずき、千畝は独断の元、命がけでビザの発給を決意します。
 
 
ビザの発給が始まり、難民たちはパスポートを手に長蛇の列を作ります。
ところが千畝のパートナーのグッジェは、この2人の子どもの母親のパスポートの確認時、このパスポートに不審点を見つけます。
 
そのことを千畝に伝え、千畝も彼女のパスポートを確認。一目でおかしい事に気づく千畝。
 
千畝は一言、母親に聞きます。
「ビザがどうしても必要ですか?」
 
母親は答えます。「ええ。死ぬほど。」
 
すると千畝は何も言わず、彼女のパスポートにビザ発給のスタンプを押します。
これを見ていた相棒のグッジェは驚嘆しながらも、千畝に何も言わず。
 
 
このグッジェというドイツ系リトアニア人は、千畝が領事館赴任直後に面接に来て、千畝の相棒となります。
私は千畝によって変化していくこのグッジェという人物も非常に好きです。
 
 
日本ビザの発給を決意しようとしている千畝に、
「難民は放っておくべきだ。今ビザなんか発給したら、あなたが祖国を追われます」と指摘。
 
 
それでもビザ発給を開始した千畝を無言で手伝うグッジェ。
常に冷静なポーカーフェイスをしていて、感情を表に出さないグッジェ。
 
千畝にビザ発給のスタンプを押された難民の一人(確かこの人、当時のニシェリ)は、千畝に礼を述べた後、グッジェにも礼を述べます。
 
「どうもありがとう。あなたはいい人だ。」
 
こんな言葉を言われても顔色を変えないグッジェ。
でも千畝がリトアニア大使館を去るときに、グッジェは千畝に言います。
 
「あなたと出会わなかったら、私は人を救える喜びを知る事はありませんでした。」
 
そして千畝に、彼がビザを発給した人々のリストを渡します。
「あなたが救った命のリストです。」
 
 
もう一人の千畝の相棒、運転手のポーランド人のペシュは、温かい人柄の事もありすぐに千畝の家族にも溶け込み、千畝のよき相棒、家族のような存在になりました。
 
 
でもグッジェはいつも淡々としていて、何を考えているのかよくわからない。
そんなグッジェが千畝との日々によって変化した、この一連のシーンが私は大好きです。
 
 
妻の幸子がこれまた名言を残します。
「人は人に影響されて変化していくものなのですね。」
 
まさに、千畝は難民だけでなく、グッジェという男の人生さえも変えました。
 
そしてグッジェが去り際に千畝に言ったセリフがこれまたすごく残っています。
「この世界は車輪だ。今はヒトラー政権は頂点にあるかもしれない。
 だけど車輪の底ようにいずれ下に来ることもあるのです。」
 
 
この作品は、杉原千畝という人間の半生を描きながら、その都度、年号をいれて世界がその時どういう状況だったのかを見せてくれるので、非常に分かりやすいです。
 
ああ、千畝がコレをしてる時、ついに日本の真珠湾攻撃が始まったのか、と世界情勢とリンクして物語が描かれていて、非常に丁寧な映画だと感じました。
 
 
まだまだ書きたりない想いはありますが、とにかく一人でも多くの日本人の人に、劇場で自身の目でこの映画を観てもらえたら、と思います。
 
 
 
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