海外やトルコの反応は?「海難1890」のあらすじとネタバレ感想

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予告編動画


 
12月5日公開。
日本とトルコ、9000km離れた2つの国の感動の実話「海難1890」
 
9000kmという距離を超えて今なお深い友情で結ばれている日本とトルコ。
そのきっかけとなったのが1890年に起きたエルトゥールル号海難事故でした。
 

 

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トルコという国がものすごい親日国という事は以前から知っていたんですけど、恥ずかしながら全然理由はしりませんでした。
 
私は日本に居た頃は正直あまり自分の祖国が好きじゃなくて、誇りに思う事もなかったんです。
 
でも海外に出てみてから、外国人の日本という国に対する反応、日本人という私に対する反応を見ていく内に、日本という国、自分が日本人であるという事がすごく誇らしくなったんです。
 
私が知りあってきた外国人達は、中には日本に一度も来たことのない、日本の漫画や文化に単純に憧れている、という人達もいますけど、意外と多くの外国人達が日本に行ったことや住んでいたことがあって、その時に受けて来た日本人の対応にすごく感謝してる人が多い事に驚きました。
 
 
現代人は思いやりの心を忘れた、とか言われたりしてますけど、でも日本人の心の中には時代は変わっても「おもてなし」と「まごころ」というものがきちんと存在してるんだ、と今は思うんです。
 
 
この映画は実際に起きた、日本とトルコという2つの国の絆が生んだ実話ですが、日本って本当は歴史上で、こういった話ってもっと他の国ともあるんじゃないかなーと思ったり。
 
何より私の相方の祖国、ポーランドの人達は日本人大好きですからね。
 
過去の歴史の中で、日本が旧ソ連に囚われたポーランド人の孤児を助けてポーランドに送り返した、という話もポーランドでは学校によっては教科書に載せてるんだとか。
 
 
 

「海難1890」あらすじ

 
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出典:「www.kainan1890.jp」
 
1890年9月。
帰国途中の親善訪日使節団を乗せた軍艦「エルトゥールル号」が、和歌山県・紀伊大島樫野(現:串本町)で台風に遭遇。
 
船員600名以上が海に投げ出され、沈没した船は500名以上の死者を出した。
 
爆発音を聞いた大島の人々は嵐の中で救助にあたる。
漁師たちは海に飛び込み、漂流する乗組員を救出し、村人総出で献身的な看護を行った。
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出典:「www.istanbulajansi.com」
 
負傷者を看護する一方で、村人たちは海から漂着物を引き上げて綺麗に磨き上げ、遺留品を遺族に返すために尽力し、これら遺留品は外務省を通じ、遺族達に届けられた。
 
 
自分だけが生き残ったという罪悪感にさいなまされるトルコ人を村の人々は温かく見守り、トルコ人と村人たちの間には固い絆が芽生えていく。
 
やがてトルコ人達は村人に感謝をしながら国へと帰っていった。
 
 
この出来事は、やがて忘れられていく。
 
 
そして時は流れ1985年3月。
イラン・イラク戦争から5年経っていたこの日。
 
突如イラクのサダム・フセイン大統領が、48時間後にイラン上空を飛行する全ての飛行機を無差別に攻撃すると宣言。
 
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出典:「www.kainan1890.jp」
 
世界中各国が自国民を助けるために救援機を飛ばす中、自国機の乗り入れがなかった日本は救援機を飛ばせなかった。
次々と脱出していく他国の人々。取り残された215名の日本人。
 
駐在イラン日本大使の野村豊、伊藤忠商事の森永堯という2人の日本人がイランとイラクで日本人救出のために奔走していた。
 
トルコ政府は要請に応え、日本人救出のために救援機を飛ばすことを決意。
危険なフライトにも関わらず、トルコ航空のパイロット達は全員が操縦を志願した。
 
ロビーにはまだトルコ人の群衆も沢山残されていた。
彼らは外国人を優先する政府に苛立っていた。
 
そんな中、トルコ大使館職員ムラトは群衆たちの前で語りかける。
彼の話を聞いたトルコ人達は日本人に救援機を譲ることを決意し、日本人はタイムリミット寸前で無事に救出された・・・。
 
 


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映画の出来事からの後日談

日本人に救援機を譲ったトルコ人達は、なんと自分達は数日かけて陸路でイランから脱出したそうです。
 
 
この後も日本とトルコの友情はずっと続いています。
1999年にトルコ北西部で大地震が起きると、日本は緊急援助隊を派遣。
 
2011年の東日本大震災に至っては、トルコからの救助隊は3週間もの長い間救助にあたってくれました。
この時トルコの首相は救助隊に「死ぬまで救助を!」とゲキを飛ばし、トルコの救助隊は最後まで残って救助を続けてくれました。
 
 
また、トルコの首都イスタンブールにある巨大な橋と海底トンネルは、日本の技術支援により建築されたそうです。
 
2011年の東日本大震災と同じ年、トルコ東部でも大地震が起きました。
救助活動を行っていたNPO職員の宮崎淳さんが、余震によって命を落とした後、トルコは哀悼の意を込めて彼の銅像を建てました。
また、大統領は天皇へ感謝の手紙を送ったそうです。
 
 
今作の映画のロケ地となった大島でも、地元の婦人会がトルコ料理の炊き出しでトルコ人俳優達をもてなしました。
 
 
日本とトルコが友情を結んでから125周年。
 
私は昔「ミッドナイト・エクスプレス」という映画を観て以来、トルコという国に対するイメージがあまりに恐ろしくなってしまい、自分は一生トルコに行くことはないだろう、と勝手に決めつけていたんですが、なんかもうごめんなさいです。
 
 
私は「実話」ベースの映画が最も好きなジャンルで、だからハリウッド映画の「実話」ベースの映画は知りうる限りはすべて観ています。
奇跡のような行動を起こして来た人々の物語に毎回涙してます。
 
でも、今回の作品は同じ実話ベースの映画でも、まったく格別なんです。
 
世界のどこかの国の人が起こした奇跡の実話も十分心打たれますが、やはり自分と同じ民族である日本人の祖先の方達が、こんな行動を起こしていたというのは、もう心打つだけのレベルじゃありません。
 
言葉では言い表せない程の深くて熱いものを、予告編を観た時に感じました。
 
まだ予告編観ただけですけど、ただ祖先がしてきた行動に感動して涙するだけでなく、私自身も日本人として海外で誇れる生き方をしようと改めて決意させてもらいました。
ちょっとこの映画は人とは観に行けないですね。。。
 
もう涙止まらないどころじゃない酷い顔になると思うんで、ぜーーーったいに一人で観に行きます。
 
 

映画に対する海外&トルコの反応

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出典:「natalie.mu」
 
まず「海難1890」に対する海外の反応ですけど、日本人の方が期待するほど、海外の人達は興味ないです。
 
映画の予告編観て感激してくれたトルコ人の方や、外国人の方がメッセージ書きこんでくれたりしてる事はありますが、そこまで大々的に興味持たれてる、という感じではないです。
 
もちろん、トルコの人達は他の国よりも遥かに興味もってくれてますし、何より今回の映画の撮影を通じてまた日本とトルコの交流が生まれましたから。
 
トルコが親日家なのはずっと変わらないでいてくれると思います。
 
 
海外の反応の無さ、寂しいっちゃ寂しいけど、これは仕方ない事なんですよね。
私達日本人も、世界の他の国で起きたことを実写映画化して、果たしてどれだけの人達が興味をもって観に行くか、という事だと思うんです。
 
先日のパリでのテロや、アメリカの9.11の様に実際に自分がリアルタイムで観た映像ならまだしも、そうでない歴史の中の一片となると、そこまで興味持つ人多くないですよね。
 
その事件の中に日本人が居た!という場合は多くの人が興味持つと思いますが、そうでない場合、興味ない人多いと思うんです。
 
 
とはいえ、私は海外に出て色んな外国人達と日本の話をした時、外国人の中でも沢山の人達が東日本大震災を知らなかったという事実を知った時は、さすがにショックでした。
 
国によって結構この大災害への反応は違ってて、アメリカ人は殆どの人が知っていましたが、ヨーロッパ人は知らない人が多かったです。
 
決して日本びいきになれ、て言ってるワケじゃないですけど、でも日本の漫画やアニメは殆どの人が知っているヨーロッパで、この事実は私はショックでした。
 
でも結局これだって、外国人から「だって自分の国の事じゃないもの」と言われちゃえば、それまでなんですけどね。
 
 
トルコでは今でも、海難事故の歴史を教科書で伝えてくれている学校もありますし、日本でも教科書でこの海難事故の様な表には出てこない歴史を伝えてほしいですね。
 
 

海難1890ネタバレ感想

 
まずは宣言通りに1人で観に行ったのは正解でした。
ただでさえ涙腺ぶっ壊れてる私がこの映画で泣かないワケありませんから。
 
ただフォローしておきたいのが、決してお涙頂戴映画じゃないという事。
 
確かに映画らしく脚色したのであろうなーというシーンはあります。
それはどの実話ベースの映画も同じです。
むしろ脚色しないとエンターテイメントとしては面白くなくなる場合が多いですから。
 
 
で、私がなぜこの映画をお涙頂戴ではない、という思ったのかというと、エンターテイメントとして涙を誘うなら、もっと思い切り脚色できるよな、と思うエピソードがあったからです。
 
前半のエルトゥールル号の遭難から始まって、トルコ人と村人達の交流をしっかり描いてからの後半。
 
トルコの救援機に何で自国民じゃなくてトルコ人を乗せるんだ!
と怒る群衆に語りかけるトルコ大使館のムラト。
 
私はてっきりこの時、ムラトが海難事故の話を持ち出して、その歴史を思い出したトルコ人達が日本人に飛行機を譲る、という流れで描くのかと思っていました。
 
ところがムラトは海難事故の話は一切出しません。
 
彼が群衆に訴えたのは、
「遠い昔。我々の祖先が絶望に陥っていた時に異国の地で救われた。」
という話で、後はトルコ国民の善意の心によって日本人は救われた、という流れで描かれています。
 
 
確かに海難事故のエピソードをここで出すというのは、見方によっては「恩の押し売り」みたいに感じる人もいるでしょうけど、私がこの映画の監督でベタベタの大衆狙いで作品を作るなら、間違いなくここにエルトゥールル号のエピソードを入れます。
 
あえて海難事故のエピソードを出さずに、抑えたストーリーにしたのは、かえって良かったんだと映画館出てから思いました。
 
映画観てる最中は、物足りないなー何でエルトゥールル号のエピソード出さないんだー?と感じながら観てたんですが。。。
 
物語を誇張しすぎずに、できるだけ史実に沿って忠実に作品を作ろうという制作スタッフの方達の誠意かな、と思ったんですよね。
 
まあこの映画、安倍政権の協力(?)の元で作られたそうですし、トルコとも共同制作なので、そういった政治事情的な裏側もあったのかもしれませんが・・・。
 
 
この映画は前半だけでも十分1作品になるくらに、とにかく丁寧に濃く描かれてます。
 
前半はエルトゥールル号の海難事故時の映像も迫力満点にきちんと描いてますし、危険を顧みずに見た事のない異国の外国人達を必死で助ける村人たちの姿には涙でした。
 
村人の若者が叫んだセリフ
「ガイジンだろうと関係ないやろ。一人でも多くの命を助けるんや」
という言葉が、すんごい突き刺さりました。
 
 
そうですねー海外に出てみて更に思い知った「ガイジン」という重み。
日本でも他国でも、今はとにかく外国人というだけで差別は当たり前にあります。
 
日本人は白人にこそ憧れの目でみるものの、アジア諸国に対しては中々きついですし、
そのアジア諸国に至ってもアジア圏内での差別や、国内で何かあると日本を都合よく攻撃する国もあります。
 
ヨーロッパ内でもヨーロッパ人同士の差別はありますし、
特にフランス人とイギリス人は外国人に対する差別は凄まじいです。
 
アメリカに至っては・・語るまでもないですね。
 
 
先日起きたフランスのパリでのテロ事件は記憶に新しいですが、
世界情勢は物凄い勢いでどんどん緊迫していっています。
 
せめて外国人だからとか自国民だからとか、今はそこを抜きにして
別の脅威から世界を守る為に協力し合えたら・・・と口でいうのは簡単だって分かってるんですけどね。
 
 
あとこの映画、キャストが素晴らしく良かったです。
 
内野聖陽演じる田村医師も、人間くさくて熱くてよかったんですし、私的には前編でハル、後編で春海を演じた忽那汐里さんが今作最高に良かったです。
 
私は邦画は漫画の実写映画以外は殆ど観ないので、この方の演技とか全く知りませんでしたが、なんというか「目」で演技の出来る人なんだなーと感心してしまいました。
 
英語がメチャクチャ流暢だったのでビックリして調べたら、オーストラリア出身の女優さんなんですね。どおりで。
 
 
あえて前半と後半で同じ役者が演じているのも凄くよかったです。
 
日本人であれば、1度は観ておいてほしいと思う映画でした。
例え歴史を知っている方でも、映像で見るともっと心に刺さるものがあるんじゃないかと思います。
 
あと、なんか近年隣国のアジア諸国から都合よく敵対視されるわ、銃大国から金魚のふんみたいにいわれてるわ、日本という国の誇りや自信がどんどん薄れていってる気がします。
 
だからこそ私はこの映画は、外国人よりむしろ日本人に沢山観てほしいと思っています。
この映画を観て日本人の心に流れる「おもてなし」や「おもいやり」を感じて、もっと自分の国に自信もってほしいなーと思っています。
 
 
 
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