魂を打つ実話!スポットライト世紀のスクープあらすじとネタバレ感想

予告編動画↓↓

 
 
暗闇の中で苦しむ被害者達の声を暴いた、感動の実話映画「スポットライト 世紀のスクープ」が4月15日に公開。
 
 
2016年第88回アカデミー賞で見事に作品賞を受賞した今作。
予告編があまりに凄まじく圧巻され、またまた涙腺崩壊の映画オタクは予告編だけで涙出そうになりました。
 

 


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ネタ不足と言われる昨今の映画業界。
 
「漫画原作でないと面白い映画が作れない」と言われる邦画業界。
「●●という実話ベースでないと名作が生まれない」と言われるハリウッド業界。
 
確かにハリウッド映画界は実話ベースの映画が以前にも増してガンガン作られてます。
 
まあ私個人的には、何気に「実話に基づくドラマ」というのが一番好きなジャンルだったりするので、結構嬉しいんです。
今まで観た実話ベース作品の中でも「ビューティフル・マインド」や「エリン・ブロコビッチ」なんかは人生史に残る名作です。
 
一足先に公開の「リリーのすべて」も実話ベースですし、4月22日公開の「レヴェナント:蘇りし者」も実在の人物が主人公です。
 
そして今作も実話ベースの映画の中の1つのワケですが。。。
 
 
私は、同じ実話ベースの映画の中でも、今作「スポットライト 世紀のスクープ」はダントツで楽しみにしてる作品です。
 
「弱い立場で助けを叫べない被害者達。そんな彼らの想いや無念をを晴らすために主人公が戦う」という社会派ドラマは、数ある実話ベースの中でも本当に大好きなテーマなんです。
 
自分自身さえ危うい立場なのに、正義を貫き、巨大な闇に立ち向かう。
 
2000年に公開され、主演のジュリア・ロバーツがアカデミー賞主演女優賞を受賞した名作「エリン・ブロコビッチ」。
 
私は「スポットライト 世紀のスクープ」の内容を知った時、真っ先に自分の映画人生ベスト10に残る名作「エリン・ブロコビッチ」を思い出しました。
 
 
数えきれない程の実話ベースの映画を観てきてますが、こういったテーマの実話映画は「エリン・ブロコビッチ」以来16年振りに観る気がします。
私がすっとぼけて他の映画の事を忘れてなければ・・・の話ですが。
 
だからこそ16年ぶりの待望の「実話ベースの社会派ヒューマンドラマ」の今作は、私の中でも期待値がダントツ高いです。
 
ぜーーったいに「スポットライト 世紀のスクープ」は面白い。
アカデミー賞作品賞受賞したからとか関係なく、ぜーったいに面白いにきまってます。
 
 

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「スポットライト 世紀のスクープ」あらすじ

 
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出典:「blastmagazine.com」
 
2001年夏、米国の新聞「ボストン・グローブ」に敏腕編集者マーティ・バロン(リーヴ・シュレイバー)がやってくる。
 
彼はすぐに特集枠”スポットライト”で、カトリック教会の神父たちによる児童への性的虐待の実態を暴くように指示する。
 
ボストン・グローブ紙の”スポットライト”担当の4人の記者たち。
チーフのロビー(マイケル・キートン)、マイク(マーク・ラファロ)、サーシャ(レイチェル・マクアダムス)、マット(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)は、組織が隠蔽しているこのスキャンダルを暴くため、日夜ボストンの街を飛び回り、教会という絶対的タブーに切りこんでいく。
 
 
住民のほとんどが敬虔なキリスト教徒であり、カトリック信者が読者の大半であるローカル誌にとって、この特集記事は社運をも揺るがすものだった。
 
それでも決して表に出ることのなかった被害者達の「叫び」を世に伝えるため、スポットライトチームは真実を暴くために教会へ戦いを挑むのだった。
 
 

キャスト達・監督・脚本家の映画に込めた想い

 
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出典:「www.methodsunsound.com」
 
作品のテーマもさることながら、今作の魅力を倍増してるであろう超実力派キャスト達が勢ぞろいしてます。
 
2015年に「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でオスカーノミネートされたマイケル・キートン
 
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出典:「www.nytimes.com」
 
同じくオスカー候補経験あり、今作でもアカデミー賞ノミネートされた「アベンジャーズシリーズ」のハルク役でおなじみ、マーク・ラファロ
 
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出典:「indiatoday.intoday.in」
 
「きみに読む物語」「アバウト・タイム」などのレイチェル・マクアダムズは、今作でラブコメ女優のイメージを払拭し、今作でアカデミー賞にもノミネートされてます。
 
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出典:「www.youtube.com」
 
とにかく実力派揃いのキャスト達の名演技が、今作をさらなる名作へと押し上げたのは確かです。
 
マーク・ラファロとレイチェル・マクアダムズは、モデルとなったマイケル、サーシャ本人達と実際に会い、多くの時間を一緒に過ごし沢山の話をしたそうです。
 
 
マーク本人(左)とマーク・ラファロ(右)

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出典:「www.bustle.com」
 
サーシャ本人(右)とレイチェル・マクアダムズ(左)

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出典:「www.yahoo.com」
 
 
また、監督や脚本家は本人達、関係者に詳細に取材を重ねました。
 
実際の言葉をもとに使われてるセリフもあり、徹底して事実を忠実に描くことにこだわってます。
 
その中で面白かった余談が、本来は映画の中で編集部の紅一点であるサーシャが、メンバーの誰かと恋愛関係になる構想があったそうですが
 
サーシャ本人が、自分は誰とも恋愛してないし、すでに幸せな結婚をしていた、とこの構想をキッパリ断ったとの事。
 
 

スポットライトチームの今現在

 
先日、朝日新聞を読んでいたら、実在のモデルとなったマークとサーシャの現在について、彼らのインタビューを交えた記事が載っていました。
 
まだ映画みる前でしたけど、2人のインタビューを読んでいて本当に彼らはジャーナリストという仕事を愛し、そこに生き甲斐を見出してるか熱い想いがつたわってきたので、映画が一段と楽しめそうです。
 
 
映画は2002年のあるシーンを描き幕を下ろしますが、その後もスポットライト編集部は、この事件関連の記事を出し続けました。
 
その数はなんと600本。
 
当時、マークは妻と別居しながら朝から晩まで仕事漬け、その後妻とは離婚。
 
仕事大好き人間の様で、「趣味は?」という質問にも「ジャーナリズム」と答える程。
 
彼の信念は粘り強さ。
誰かの言葉をただ報じることではなくて、事件を掘り起こし作りだす調査報道に最高のやりがいを感じているんだとか。
 
そんな彼の元には連日、「取材してほしい」という大量のメールや手紙が届く。
 
 
一方、サーシャの方は、業績不振のグローブ誌を2008年に一度去り、ラジオ局のキャスターとして大成功。
 
でも新聞の仕事がどうしても忘れられず、2014年にグローブ紙に戻ってきます。
 
 
全米で映画公開後、「調査報道を続けて」という声が大量にグローブ紙に舞いこんでいます。
 
インターネット全盛時代の今、2人は新聞という媒体が生き残る道を必死に模索中。
 
サーシャは「新聞の仕事ほどやりがいがあって面白いものはない」と話し、マークは「新聞という仕事に一目ぼれして以来、今も恋をし続けている」そうです。
 
 
いいですねー熱い!超熱い!大好きですこういう人達!!
 
今の時代はインターネットが紙媒体の代わりに情報を伝えるのが主流となり、しかも届く内容も「ゴシップ」的な色合いが強くなった様に感じます。
 
10年前、”剣”ではなくて”ペン”を携えたヒーローたちが紙媒体である「新聞紙」にかけた想いは、世界中で反響を起こしました。
 
ジャーナリズムとは本来どうあるべきなのか。
私達は「正しいことは正しい」と言える時代に生きているのか。
 
こういった視点も持ちながら、私はこの映画をじっくり観て来ようと思います。
 
 

※追記『スポットライト 世紀のスクープ』ネタバレ感想

 
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出典:「www.tumblr.com」
 
まず私が最初にどうしても言いたいのは、邦題つけてる人たち、いい加減にしてくれ!という話。
 
原題である「スポットライト」に日本の映画業界が勝手に「世紀のスクープ」なんてよく分からん文句を追加してしまったから、観客の中にはハリウッド的なド派手なラストを期待してしまった人もいるかもしれません。
 
そもそも最近の邦題の酷さは、「期待を裏切ってもいいから、とにかく観客がきそうなタイトルで客を釣ろう」という魂胆が見え見えで、純粋な映画ファンとしては怒りを覚えることが多々あります。
 
少し前に公開された「マネーショート 華麗なる逆転」もそうでしたが、タイトルで派手さやラストの大逆転劇を観客に期待させ、いざ映画鑑賞したらまるでタイトルに裏切られたような肩透かしを食らう。
 
こういう邦題をつけて観客の先入観をねじまげてしまうから、本当は傑作なのに予想してたのと違う!と思ってしまう観客がいたりするんです。
 
最近私は以前よりも、映画レビューサイトをよく観るようになったのですが、同じく邦題に憤慨しつつ、でもきちんとその映画の良さを理解してるレビュアーの方が多く、ホッとします。
 
 
そして今作も、日本の映画業界の興行収入だけにスポットライトを当てたアホな人たちによって、観客によっては「予想してたよりちょっと・・・」と思ってしまう人もいるであろう、邦題の犠牲となった傑作の1つですが。。。
 
さて、感想です。
個人的に2016年度のアカデミー賞レース参加作品の中でも、『ルーム』と並んでダントツに期待していた今作。
 
この映画を一言で表すならば「映画という媒体の役割を見事に果たした傑作」です。
 
 
この映画は派手さはありません。
 
キャラクターたちも全員地味です。
突出して面白いキャラクターがいるわけでもありません。
 
ラストもついにカトリック教会の腐った実態が明るみには出るものの、ものすごいカタルシスを味わって幕を閉じる映画でもありません。
 
むしろ「ここからが本当のスタート」という感じで幕を閉じます。
 
 
この映画が徹底して追求したのはリアリズム。
 
タイムズ紙から赴任した新しい上司の提案により、カトリック教会の神父たちによる児童への性的虐待について取材を始めたスポットライトチーム。
 
最初はたった一部の神父達による行為だと思っていたが、調べていくうちに明らかになっていく驚愕の事実。
 
ボストン地区だけでなく、世界中の教会で神父たちにより行われていた児童への性的虐待。
 
そしてその事実を知りながらも組織ぐるみで隠ぺいを図ってきたカトリック教会。
 
さらには児童への性的虐待を行っていた神父自身も、かつて性的虐待を受けていたという、繰り返されてきた負の連鎖も明らかになっていく。
 
カトリック信仰の強いこの地域で、カトリック教会を敵に回すという事は、下手すると国家を敵に回すよりも恐ろしいこと。
 
組織からの報復だけではなく、カトリックを崇拝する近所の住人、親族からさえも攻撃をされることになるという恐怖。
 
この土地ではカトリック宗教は絶対無二の存在であり、神父はそんな人々にとっては「神」に等しい存在。
 
だから被害者は誰にも苦しみを打ち明けられず泣き寝入りするしかない。
 
泣き寝入りでも生きているならまだいい。
 
被害者の中には、トラウマから自殺した人、薬中毒になった人も沢山いる。
 
だから被害者の中で今でも生きている人たちには「サバイバー」なんて名称まで付いている。
 
自分の生きる希望としていた教会、神父から、こんなむごい虐待を受けた人立達が、どうしてその後の人生を幸せになんか生きれるのか。
 
でもこの街で暮らし続けたかったら、ただ自分が被害者となった事を胸の内にしまっておく以外に方法はない。
 
 
そして彼らの声を、暗闇から表の世界へと出そうと挑んだのが4人のスポットライトチーム。
 
私生活を犠牲にしてでも、自分の記者魂をかけてカトリック教会という巨大な組織に挑み、今も苦しみ続けている被害者へのインタビューを地道に行う。
 
スポットライトチームのメンバーだって、カトリック教会と決して無関係ではない。
 
サーシャの祖母は熱心なカトリック信者で、サーシャも時々、祖母と一緒にミサに通ってる。
 
マイケルは大人になるにつれ教会に通わなくなったものの、でも自分はいずれまた教会に自然と通いだすんだろう、と思っていた。
 
そんな彼らにとっても愛すべき地元で起きてた、この忌まわしい事件がショックでないはずがない。
 
チームのリーダーであるウォルターがこの事件の調査中に吐き出した「胸クソ悪い」という言葉が、彼らの心境を表している。
 
 
「今でも、こうしてる間にも子ども達が犠牲になってるんだ!!」と叫ぶマイケル。
 
「おばあちゃんにはカトリック教会の事はまだ話してないわ」と静かに憤りを語るサーシャ。
 
「自分が育った地元で起きていたことなのに、知らんぷりをしてきたんだ」と話すウォルター。
 
スポットライトチームの4人も、やりきれない怒り、憤りを感じながらも、それでも被害者たちの声を世界に発信する為、被害者から門前払いを食らおうと、毎日地道な聞き込みと調査を続ける。
 
 
この作品は、彼ら4人がいかにしてこの忌々しい事件を記事にするかに至ったかを、とにかく事実に忠実に丁寧に描いていく。
 
これといって山場のような派手なシーンはないし、ラストはついに記事が世間に発表されて、被害者たちからのスポットライトチームへの電話が鳴りやまなくなり・・・というところで幕を閉じる。
 
事件が世間に明かされ、いよいよここからどうなるのか、という所で幕を閉じるので、この先を観たい!と思う人も多いと思います。
 
 
ついに事件が明るみになり、神父たちにどんな裁きが下ったのか、それを知った地元の人たちの反応、記者たちのその後、といった事は描かれません。
 
エンドロールで語られる程度です。
 
だから、正義は勝つ!的な派手なものを期待していくと、あれ?ってなるかもしれません。
 
 
でも私は、あえてそんな描き方をしなかったこの作品に心からの賞賛を送りたいと思います。
 
カトリック教会が組織ぐるみで長年行ってきた、あまりにも巨大で腐った児童への性的虐待と隠ぺいという事実。
 
被害に会った人たちがどんな人生をその後に強いられてるか、という事実。
 
それらすべてを世間に暴こうと、記者魂と正義感と地元への愛で巨大な闇に挑んだ記者たちの戦い。
 
そう、とにかく全て事実を忠実に観客に伝えたのがこの作品。
 
これこそ、映画という媒体だからこそできる事ではないでしょうか。
 
 
私は、映画というのは娯楽なのだからエンターテイメント性は重要だと思っています。
 
何より私自身がエンターテイメントとカタルシスの詰まった、ベタベタな王道ハリウッド映画大好きなので。
 
でも、こういう社会派ドラマというジャンルにおいては、最初に挙げた『エリン・ブロコビッチ』もそうですけど、派手さやエンターテイメント性よりも、「そこで何が起こっていたのか」という事実を捻じ曲げることなく、過度な演出することなく、徹底してリアルに伝えることが大事だと思っています。
 
そこに映画という娯楽性が加わるからこそ、ものすごい重くて暗いテーマになりがちな社会派ドラマでも、観客は楽しみながらすんなに受け入れられると思っています。
 
 
映画レビューの中に、「元のカトリック教会の事件を知らないと面白くない、アメリカ人向けの映画」というレビューをしてる人がいましたが、私は全くそうは思いませんでした。
 
私はカトリック信者ではないし、この事件の事も全く知りませんでしたが、それでもズシっとテーマは伝わってきたし、映画館を出た後も色々と考えさせられました。
 
自分が心から信じ崇拝していたものが、ある日突然崩れたら自分は何を糧に生きていけばいいのか・・・
 
その苦しみを誰にも言えず、自分の中に押し殺して生きていかないといけないという事。
 
日本人にもきちんと伝わる映画です。
だからこそ、テーマで食わず嫌いせずに是非、映画館で観てほしい。
 
観た後に考えさせられる、心に突き刺さる名作です。
 
2時間ちょいのこの作品。
正直、前半は少し話に乗りきれなかったのですが、どんどん引き込まれていきました。
 
こんなにも見ごたえのある社会派ドラマを見たのは何年ぶりだろう。。。
 
実力派キャストたちの演技のアンサンブルも最高でした。
 
 
沢山の印象的なセリフの中でも、私が一番印象に残ったのが4人の上司が最後に彼らに言った言葉。
 
「記者という仕事は闇の中をさぐり歩くようなものだ。」
 
彼らが闇の中から「真実」を掘り起こしたとき、それが一筋の光となる。
 
泥臭く自らの足で歩きまわり、地道に取材を続けて行くからこそ、ようやく掴み取る一筋の光。
 
記者たちの熱意と正義を通して、ジャーナリズムのあるべき姿というものを味あわせてもらいました。
 
 
アカデミー賞受賞作品=良い作品、というわけでは決してありません。
 
けれでも今作は「アカデミー賞受賞にふさわしい作品!」と叫びたいくらいの、本当に素晴らしい作品でした。
 
 


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